私は交通事故の示談交渉の難しさを甘く見ていまいした

大きな事故ではなかったので、すぐに解決できるものと勘違いしていました

昨年の１０月のことです。 その日はいつもより早めに仕事が片付いたので、久しぶりに定時に会社を出ました。通い慣れた道を特に急ぐこともなく、ＡＭラジオに耳を傾けながら家に向かっていました。あたりは薄暗くなってきて、小雨も降っていましたが視界が悪いというほどではありませんでした。 県道はクルマの往来もあまりなく、快調にクルマを走らせていました。やや右へ緩くカーブした出口あたりの信号を超えたときに、突然右から相手のクルマが飛び出してきたのが見えました。 「あっ」と思わず声をあげ、無意識にハンドルを左に切りましたが、右の後方でゴツンという衝突音が響きました。衝撃はさほど大きくなかったのです、音は驚く程大きなものでした。 私がクルマを左に停めて降りていくと、相手も私のクルマの後方に停車して降りてきました。 「すみません。よく見ていませんでした」 私の顔を見るなり、運転手の青年は謝ってきました。 お互いに怪我をしていないことを確認し、警察と代理店の担当者に電話をかけ、事故の状況を説明しました。 相手は、右の小路からこちらの本線に、一旦停止もせずに進入してきたとのことでした。私としては避けようがなかったのですが、お互いが動いている限り１０対０にはならないだろうなとは思いましたが、青年もただ謝るばかりだったのですぐに解決できるだろうと思っていました。

運転手の青年の代わりに示談交渉に出てきたのは、青年の父親でした

物損事故なので、保険会社同士の示談に任せることにしたのですが、相手の保険会社が話ではクルマの持ち主は青年の父親で、過失割合について５対５を主張しているとのことでした。私の代理店の担当者によると、いくらこちらが譲歩しても２対８で相手が悪いとのこと。それでも私としては納得できる割合ではありません。まずはお互いの修理代を見積もって過失割合について交渉していこうということになりました。 私のクルマは、右後部のタイヤハウスのあたりに擦り傷程度の損傷で、修理代は７万円程度で済みました。対して相手の損害額は３０万円の見積もりになっていると聞きました。 事故当時、相手のクルマも見ましたが元々あちらこちらに傷があり、今回の事故の傷がどれかもすぐにはわからない状態だったのです。いくらなんでも３０万円はおかしいと思い、代理店の担当者に伝えました。 担当者は、相手の修理見積もりの詳細を見せてもらいましょうと提案してくれ、すぐに相手保険会社から修理箇所の写真を手配してくれました。 写真を見ると、事故当時に青年と確認した傷以外も修理していることが分かりました。そのことを代理店に伝え、相手保険会社と交渉してもらいました。結果、過失割合は2対８で相手への賠償はなし、こちらの修理代金の８割を支払ってもらうことになりました。 代理店の担当者がいなければ、今頃どうなっていたかと思うと怖いぐらいです。本当に助かりました。